なんてこった

たまになんか書くかも

🐸

自由になりたかった俺は

家を飛び出した

旅の途中

姉貴やオヤジのこと

ちょっとは思い出したりしたなんて

嘘なんだ、ぜんぶ

本当はふたりのこと忘れていた

忘れたかった 忘れていたかった

ある日俺は帰ってきた

故郷へ今から今までのぶん

込めた「ただいま」

ふたりはいなかった。

街はもう、故郷はすべて

過去の

はなし

ようやくわかった。

俺が旅をしていられたのは

帰る場所があったから。

「ただいま」

そう言える場所があったから。

姉貴 オヤジがいたから。

ようやくわかった。

帰る場所がある

それは自由と不自由のシアワセシーソー

俺は手放した。自ら。いっぺんに、ぜんぶ

自ら、水から。

気づいたら、故郷は水で覆い尽くされていた。

家が、あんなに下にある。

月が映る、水面に。

俺の姿が映し出された。

カエル。蛙。かえる。

俺は帰れなかったカエル。

カエル カエレナイ  カエル

月が見てる。俺を。カエルを。 

哀れんで、ほほえんで、かなしんだ。